50期テーマ


50期グランドテーマ/セクションテーマが共に決定致しました!以下に紹介致します。

グランドテーマ(Gテーマ)

 2019年末に中国武漢で発生が確認された新型コロナウイルス感染症(以下COVID-19)は、当初の楽観論に反し瞬く間に全世界に拡がった。COVID-19は、その強い感染力で多くの人々の命を奪っただけでなく、感染しなかった(していない)人々の日常生活も大きく変えた。多くの国で通常ではありえない私権制限が行われ、国境を超えた移動から近所の買い物まで制限された国や地域もあった。
 人々が家に籠もることは、社会経済に大きな影響を引き起こした。景気は悪化し、企業はリストラを行った。ワクチンが手に入る国もあれば、ほとんど手に入らない国もあった。アフガニスタン、エチオピア、イエメンでは、紛争そのものの脅威だけでなく、支援が滞るという危機的状況に陥った。また、外出さえ憚られる中でBLM運動が起こり、ミャンマーでは民主化への歩みが後退する出来事が起こった。コロナ対策という意味では、中国のような強力な私権制限は成果を上げている。 
 これらの問題は、確かにパンデミック下での問題である。しかし、COVID-19が原因で起きた問題なのだろうか。COVID-19発生前から失業者の発生と支援は課題であったし、医療の格差も問題であったはずだ。COVID-19で支援が難しくなったという紛争も、そもそも長く国際社会の課題であり、人種差別やクーデターにおいてもCOVID-19が中心的原因ではないだろう。COVID-19の有無に関わらず、国際社会には多くの課題が存在するのである。
 何より強調したいのが、われわれ大学生も「コロナ禍」の当事者だったことである。COVID-19を受けて変わった生活を今も過ごすわれわれだからこそ、改めて現代社会を深く考える良い機会ではないだろうか。パンデミック下で注目された問題に真正面から取り組むことが、大学入学時からCOVID-19の影響を大きく受けた世代が参加する十大学合同セミナーに相応しいと考える。

セクションテーマ

民主主義が誕生して以降、民主主義の是非は様々な場所で議論されてきた。新型コロナウイルスが発生した今日では、ロックダウンや過剰な国民の管理など、国際社会では民主主義の危機と呼ばれる事例が数多く見受けられる。このような問題が発生する原因が、民主主義というシステムそのものが抱える複雑性や欠陥であるとするならば、今一度民主主義について深く議論をしなければならない。
国際連合をはじめとした多くのアクターによって「開発」が行われてきたが、現代においても貧しい人は絶えない。新型コロナウイルスの蔓延によって国際社会は急激な分断を強いられ、開発分野においても「他国への開発」が中断されてしまう問題が生じている。本セクションでは、開発を通して他国の人間を救う意味やその行動の動機を考察していく。
東西冷戦後、国際社会は気候変動やテロなど地球的課題の解決に向けて協調を図ってきた。しかし、パンデミックのような緊急事態では、国際協調が各国に求められる一方で、国家ごとに対策が採られており、自国第一主義的な潮流が高まってきているのが現状である。本セクションでは、国際秩序が不安定さを増すなかで、安全保障の観点からグローバルイシューを検討していく。
グローバリゼーションの進展により人の移動が加速した一方で、新型コロナウイルス下では国境が閉鎖され、人の移動が止まった。さらに、欧米におけるアジア人ヘイトに象徴されるように、各国にいる移民たちの脆弱な立場が鮮明となった。本セクションでは、移民が排斥される原理を探ったうえで、移民に対する様々問題を歴史や政治や経済などの観点から見つめ直す機会にする。
この度のコロナ禍では、多国籍企業が国際的に大きな力を持つことが示された。日本でも用いられている新型コロナワクチンを製造するファイザーはその最たる例である。一方で、コロナ禍以前から懸念された多国籍企業の課税逃れに対して各国は国際的な取り決めで対抗しようとしているところだ。本セクションでは、多国籍企業というアクターについて国際社会の視点から検討する。